4. 釜山大学と長箭洞

 ホテル前の駐車場を出てすぐタクシーを見つけ、扉を開け乗り込む。「釜山大学校前」と言うと建物が建て込んだ谷あいを北上。釜山で一番安くておいしいのが釜山大学付近らしいが実態は如何?ちょうどメーターが1500Wから上がるところで停車。もらった地図を見て、通りを渡り一筋目を北に入り「伝統ヨモギミルミョン」はすぐ見つかる。韓国ではそば粉と澱粉・小麦粉により作られた冷麺が定番だが、釜山名物には小麦粉だけを使うミルミョンが存在。1950〜53年の朝鮮戦争時に共産軍に追われた北からの避難民が米軍放出の小麦粉を使い始めた料理に由来し、それは韓国での冷麺普及と同じ背景だが、臨時首都になり400万人を越え膨らんだこの街(今の人口は380万)で実際に何が起こったのか想像するのは難しい。
 ここのミルミョンは麺にヨモギ汁を入れ練り込み黄緑色。スープも韓(漢)方薬を入れているので何となく台北の薬膳排骨(「八重山の先」[台湾紀行]参照)を思い出す。別皿でキムチと麺に入れて辛みを増す唐辛子みそを使った調味料(タテキ゛)がついて1杯2500W。佑滋は麺を少しに卵とキュウリを食べる。食べて外に出ると別の海鮮料理店前の水槽に泳ぐ魚に佑滋が注目して停止。水族館の一種だと思っているらしい。
 地下鉄1号線の高架に向かう途中のNorth faceの登山用品店に入るが、ブランド品価格は韓国でも高く何も買わずに高架下でタクシーを拾う。買物なら東莱のメガマーケットもあるが、今回は長箭洞(チャンシ゛ョント゛ン)のGSマートに行くよう女性運転手に指示。最初はわからない感じだったが、考えた本人がLGマートと旧名称を言い納得して出発。そういえばLG25というコンビニもGS25という名前に変更。地下鉄高架線沿いに北上し次の長箭洞駅を過ぎた所で右折し1500W。入口の荷物預けロッカーにカバンを入れるが、鍵なしの使用中ばかりで少し探す。100W入れて鍵を抜く。地階売り場を目指すがエレベーターは上の階に行くだけで少しとまどう。実は地階へ行くのは、斜行式エスカレーターだけで1階レジで纏めて精算、もう1つは2階以上へ行くエレベーターに動線が分離。  大きなカートを転がし地階に降りるとまず野菜・果物売場。母が言うには美味しそうなジャガイモ。バナナも1房が大きい。魚売場では韓国人の好きな太刀魚が山積み。1つの水槽でヒラメやアナゴ、別の水槽ではカニが泳ぐと佑滋がまた水族館状態になって動かない。買物の一方で1人が水槽前で佑滋に付き添う。
 海苔は1袋8枚入り4パック5180Wを4つと弁当用の小袋8袋入り1パック1980Wを5つ。ゴマをまぶし炒めて乾燥した海苔ふりかけ50g3300W3つ。パック入りキムチは白菜500g入り3700Wが4つと大根500g入り4100Wが1つ。チューブ入り唐辛子味噌500gが1950W。特大アンパン1980W。小型アンパン1000W。キンパプ(海苔巻き)2本2000W。ソウル牛乳500cc820W。クー・オレンジが300cc780W。桃ジュース300cc1380W。真露石水(飲料水)1800cc480W。ロッテフルーツミックスゼリーが220g1300Wで同じく巨峰ゼリーが1300W。ピングレ桃ヨーグルト5パック1600Wと同じくイチゴヨーグルト1600W。ロッテポテトチップス1580W。カスビール400cc6缶6960W。合計84,150Wで付加価値税が10%内税。ここでもクレジットカード精算。何か聞いてくるが「ハナロ」と聞こえたので1回払いか聞いているのだろうと予測して「ネー(はい)」と答える。買物袋は有料。その他米は20kg入り4万W程度。スルメや西瓜も美味しそう。地階には日用品・雑貨や熱帯魚にペットもありこのあたりも佑滋のお楽しみコーナー。2階は図書CDに家電製品とフードパークだがもう1つの品揃えでパス。釜山は普通の書店が少なく見つけにくい。GSマート前のタクシー乗り場からホテルへ戻ると2500Wで19:40到着。「鹿泉湯」の近くと説明しながら運転手と会話。部屋に戻ると佑滋はアンパンと巨峰ゼリー、大人はビールとキンパプにポテトチップス。日本では見ないNHK衛星放送を流す。部屋の浴槽に温泉水を張ってさらに入浴。蒲団が1セット足りなかったのでエレベーター前のフロア担当のおばさん(アシ゛メ)に頼むとすぐに持ってきてくれる。22時過ぎに就寝。

4. 夏の海雲台

 7/28翌朝は6:40に起床。とりあえず朝風呂。朝から入浴を楽しむ人が少なからず。8時過ぎに佑滋が起きると妻と3人で散歩。前回行った食堂「うわさの温泉へジャンクク」を探すが予想通りというか存在しない。チャンスがあればどんどん場所と形態を変えて営業するのが韓国的。ホテル農心のロビーに入り、付属温泉施設の虚心庁(ホシムチョン)1階のパンを選んで食べる朝食コーナーを見てから角のミニストップで剃刀500W、朝のジュース750W、イチゴ牛乳850W。佑滋が店の外でジュースを飲んでいる間に虚心庁外側を一周し手打ち煮込みうどんのカルグクス屋を下見。ホテルに戻って準備をして出発、「うわさのカルグクス」でカルグクス1杯3000Wを3杯。たくあんとキムチつき。うどん自体は辛くなく味はタテギで調整。佑滋は少しうどんとアンパンを食べると床に下りて這いまわる。10:35に佑滋のウンチのためにホテルに戻る。便器にも温泉水が流れ冬でも便座が暖かいが、夏は逆に暑くて気持が悪い。最初はうまくいかないが結局目的を達成し一安心。母は駐車場横の温泉市場を見学し美味しそうなトマト。10:50に再び出発。フロントの人に佑滋が「アンニョンアセヨ」と挨拶。市場を通って地下鉄駅へ。
温泉場駅の向かいの歩道橋登り口に金井山に登る路線バスが待機。前回はこのバスで山上の村に上がり、別のバスに乗り換え亀浦側に降りた。地下鉄料金は10kmまでが1区間900Wでそれ以上が2区間1000W。前回は1区間600Wで2区間700Wなので300Wずつ値上がり。
まず自販機の2区間3名のボタンを押すと3000と表示が出るので1000W紙幣を1枚ずつ入れ、残金が0になると切符が3枚下から出てくる。地下鉄は道路同様右側通行で、改札が行先別に分離されているため、最初の乗り場を間違えないように乗換駅の西面(ソミョン)の表示を確認後自動改札機に切符を通し、バーを手動で回し対向式ホームへ階段を上る。すぐ南下するオレンジの帯が入った電車が到着し妻はビデオ撮影。車両は18mで阪急電車より一回り小さい。東莱までは地上の高架線を通りその先は地下に潜る。椅子に佑滋が座ると知らないおじいさんが何歳かと尋ねて手を握る。他の子供にも同じ事をしていて、特に嫌がるわけでもないのでごく普通の風景か。普通の風景と言えば、車両中央で口上を述べ、扇子や傘を販売するおじさん(アシ゛ョシ)も通る。
西面で降りて西洋名画の複製が壁面にかかる広い通路を通り、黄緑色の帯が入った2号線に乗り換え。西面から海雲台方面は前回未開通区間だったので今回が始めて。地図上の最短コースを辿っていないが、バスだとよく揺れ座れる保障もなく渋滞などもあるのでわからないうちは確実な方がよいか。最短コースは地下鉄3号線が建設予定なので将来的楽しみ。駅には漢字と通し番号の表示があるので、始めてでも車内の案内図と比べると予想がつく。11:55に海雲台到着。
7番出口から外に出ると道路の向かいには国鉄の海雲台駅が見えるが、目的地の釜山アクアリウムは海岸沿いなので海に向かって進む。海の近くのファミリーマートで妻と母が飲料水などを購入。母にもらったビールで一息。天気は曇りで風が強くもう一つ海水浴日和ではないがここは韓国有数のビーチでパラソルが並び多くの人出。釜山アクアリウムは、地上には切符売場しかなく目立たないが行列ですぐわかる。入場料は15,000Wでプサンナビの割引クーポンで12,000W。列の前のカップルは定価をクレジットカードで購入するが、須磨海浜水族園の入場料1300円から考えるとかなり高価。入場券はなく入口でレシートを係員に見せるとパンチ穴を開けて入場。妻が日本語パンフレットありますかと受付で聞いて入手。
エレベーターで地下2階に降りると家族連れ中心にかなり混雑。水族館は地下2階から地下3階に貫く円筒形大水槽に沿って通路が巡り、周囲に小型水槽が並ぶ。最初ピラニアの水漕が見えると、早速佑滋は飛び出しどんどん進んで見えなくなり、ベビーカーと荷物は母に、ビデオ撮影は妻に任せてひたすら後追いに徹する。全体に須磨よりも小さく大水槽以外の水槽と通路も狭く人が多いと息が詰まりそう。何か事故でも起こればパニックにならないか心配にもなる。ペンギンもカワウソも地下の水槽と展示場にいるので閉じ込められるイメージがあるがこれは感覚の問題か。まさに泳いでいるペンギンの姿は須磨では見られなかったので興味深い。ただ佑滋は順番に展示を見るでなく行き当たりばったりと好きな場所から離れないという二面性があるので本当に全部の展示が見られたかはわからない。
佑滋が好きなのはタッチプールで手を入れてヒトデを何回も掴むが身長が低く、体重15kgを持ち上げ満足させるのが一苦労で別の所に誘導しようとしてもすぐに戻る。タッチプールは須磨の方が低くて広いので触らせやすい。アクアリウム係員の熱心な説明には好感が持てるが何を言っているかは聞き取れない。ピラニアの水漕には人体の白骨模型が入り、両生類展示の前にカエルの王様の像が鎮座とエンターテインメントを考慮した展示に工夫がある。大水槽の上ではグラスボート(「八重山紀行」参照)が浮かび5000Wで乗船でき、写真撮影もあったりと同時に商売にも励む。地下3階ではメインの大水槽でダイバーによる餌付けや人魚に模して1枚の足ひれをつけ衣装をまとった3人の女性が、音楽に合わせ浮かんだり潜ったりを繰り返しながらパフォーマンス。練習も大変だろう。大きなサメにコバンザメがついて泳いでいる。佑滋はタツノオトシゴとフグ、特にクラゲがお気に入りだがこれも身長が届かず言われるままに何回も持ち上げると疲れてしまう。ただクラゲの水槽は時間が経つと照明が変わり、泳ぐクラゲの色と形が同時に変化する所が面白い。
妻は撮影がまだの水槽を回ると言って佑滋と2人で先に地下1階へ。土産物売場の手前に小さな水槽や説明表示があるがそこを過ぎるとたくさん商品が売られている。佑滋の従兄姉へのお土産中心に、定規1000Wを3本、サメの口が開くと光るキーホルダー3800Wを4つ、魚の形をしたマグネット2500W6つ、カクレクマノミ形のマスコット3000W、Tシャツ12,000Wなどを購入。袋は有料で50W。佑滋はヒトデのマグネットがお気に入りで、多分もらった人は嬉しくないと思う形だが「何を買う?」と聞いてもそればかり取る。土産物売場を出たところがフードコートで、椅子があったので持参のパンなどを食べる。
13:40に地上に戻ると天気は変わらず曇りで風も強いが相変わらず賑やかな海辺の休日。次は母の買物で数百メートル東にあるパラダイス免税店へ。パラダイスホテルは西面にあるロッテホテル釜山と並ぶ最高ランクの特1級ホテルでどちらのホテルにも免税店併設。他の免税店は金海空港と釜山港の国際旅客ターミナルにあるので街中では2つだけ。免税店はりっぱなホテルの向かいに2階建て。日本人客はそれほどいないが韓国人(系)と思われる客が多い。韓国車のおもちゃもあるが種類が少ない。安いのは中国製のセット。KTXやセマウル号の模型はない。食品系のお土産は昨日買い、することがないので佑滋を休憩所に連れて行くが冷水機のボタンを押し続けて水をこぼし色々悪さをする。その後売場を走り回りついていくのが相変わらず大変。
15:00過ぎに終了し佑滋をベビーカーに乗せて行きとほぼ同じ距離を戻る。途中で賑やかな海雲台市場を横切る。車道は路線バスが通り路上駐車も多く、ほぼ同じ道幅だがより神経を使う。駅前ではとりあえず地下鉄駅に。地上の国鉄駅も見るがとにかく列車本数が少なくお話にならない。温泉場へ行くバスもあるが、相談するとバスは座れないと大変だからと却下。ということで帰りも同じ地下鉄。1000W3枚3000W。

5. オニャンカルビ三たび

 地下鉄に乗る前から佑滋はベビーカーの中で眠りこみ、楽しみの地下鉄風景は駅のビデオ撮影だけだが15:40に海雲台出発。途中で妻より釜山駅近くのデジカルビで夕食の提案があり、ホテルに戻っても同じだし西面で南行きの1号線に乗り換え釜山駅へ。ここもエスカレーター等はなく、階段を地上まで重いベビーカーを担いで上がる。駅舎はKTX開業と共に改装され以前の面影は全くない。草梁(ソリョン)デジカルビ通りは北に通りを少し戻り山側に斜めに入る。17:00に黄色い看板のオニャンカルビ到着。ここはプサンナビにも載っていて健在はわかっていたが、変わらず母に佑滋まで連れて4年ぶりに訪れると感慨無量のものがある。
 中は先客なく早速相変わらずの店内に入る。変わらないと安心するし落ち着く。サムギョプサル5000W(前回4000W)2人前とデジカルビ5000W(前回4000W)2人前にテンジャンチゲ(ご飯つき)3000W1つを注文。ビール(メクチュ)を頼もうとしたがデジカルビに合う焼酎(ソシ゛ュ)3000W2本に変更。まず最初は豚の三枚肉サムギョプサル。突き出しにはサラダとゴマの葉にチシャ。ニンニクにキュウリと大型(万願寺系?)の青唐辛子。カブのスライス酢漬け。油分を落とすため穴の空いた鉄板の上にそのまま肉を並べニンニクを脇に置く。肉が焼けると奥さんが、サニーレタスに肉・カブ・キムチ・ゴマの葉にご飯を入れて巻き食べ方を示す。よく冷えた釜山名物の「C1焼酎」をグラスに注ぎ楽しむ。ここは地下鉄車内でないけれど、包みを持った洋服売りが店内に入って来るが、主人が「イルボンサラム(日本人だから)」と言うと出て行く。佑滋もそろそろお目覚めだが、焼き肉は食べられないので、ご飯にサラダの野菜を食べると奥さんが弁当用小パック海苔をサービス。海苔巻きにして食べる。母はぐつぐつ煮えたテンジャンチゲが気に入り追加でもう1杯頼む。1時間ほど堪能し記念写真を撮りコーヒーを飲んで精算し32,000W。母の父は平壌で写真館をやっていたなどと少し話す。
 釜山駅まで戻る途中の地下街で、おみやげの髪飾りバンドを3つ購入。1つ2500Wで3つ7500W。その後地上に上がり駅前広場へ。南側には相変わらずアリランホテルが見えるが、駅舎にはエスカレーターで2階へ。2階切符売り場向かい側のコンビニで時刻表はないか聞くと、切符売り場横のカウンターで配布の無料時刻表の所まで案内してくれる。「カムサハムニタ゛!」時刻表は「主イエスを信じよ」と韓国語で記載され、発行元はホテルの窓から見えた「温泉第一教会」。駅で『時刻表』が買えないのは困ったものだが、とりあえず京釜線上り列車の時刻を調べると、次が18:47発ムグンファ号東大邱(トンテク゛)行き、19:01に亀浦駅に停車し乗車すればKTX撮影チャンスもあるか。素直にKTXに乗らないのは亀浦駅まで片道1人10,600Wで、東大邱まで在来線の京釜線を走行するのにその運賃はないだろう。ムグンファ号なら1人2800Wで3人8400W。指定座席が印字されたカード型紙乗車券を発券。台湾では台北近郊区間(松山−板橋)は、どの列車種別でも18元(約63円)均一で、韓国国鉄は営業的に近距離客への便宜を図っていないといえばそのとおりだろう。
 前回は改札口で切符を入鋏していたが、今回は自動改札機に切符を通しエスカレーターでホームへ下りる。ディーゼル機関車牽引の列車はすでに入線し、切符で確認した4号車に乗車。機関車は塗装変更されているが客車は4年前と同じ。内装は日本でいえば特急並みの片側2列のリクライニング回転式ですぐに降りるのがもったいない。車内は空席が多い。合図なく静かに出発。韓国語・英語・日本語・中国語の4ヶ国語車内放送が流れる。次の釜山鎮駅付近で停車中のKTX車両を見つけてビデオ撮影。西部バスターミナルのある沙上(ササン)駅に停車すると次が亀浦駅、出口と改札口は別になっていて出口には係員が不在で、切符がカウンターの回りに落ちているのでそのまま記念に切符を持って退出し駅前で記念撮影。これで鉄道にも乗れてKIX撮影も完了。
 駅前バス停から昨日乗った307番バスに乗ることも考えたが、妻は140-1番が温泉場を通ると言ったのでバス停で路線図を確認。釜山の市内バスは漢字で経由地を側面に表示し、ハングルが読めなくても行先がわかり便利。漢字にはハングルと違いイメージ喚起定着作用があるので韓国でももっと使ってほしい。140-1番は座席バスでなく一般バスなので900W。ただ座席が少なく、最初は母と佑滋だけが着席し、あとで全員座席を確保。19:10に乗車し温泉場到着19:50、コンビニのGS25(旧LG25)でOBビール、ポテチ、イチゴ牛乳、水1リットル(1000W)にマッコルリ(1200W)を購入し4650W。ホテル到着が20:00で妻・母・佑滋は20:30終了の公衆湯へ。後で話を聞くとどんどん後片付けにかかり、電気も消えていく状況だったらしい。こちらは部屋の浴槽に温泉水を入れて入浴。そのあと久しぶりのマッコルリ。コンビニで販売されているのは長期保存可能で、前回ほどの味わいはないが手軽で飲みやすい。日本のコンビニにあってもよいだろう。23時前に就寝。

6. 帰国と出国

 7/29は5:30起床。公衆湯で朝風呂、毎朝入浴すると気分がよい。7:15にチェックアウトしてタクシーで東莱地下鉄駅へ。本数は少ないが国鉄東莱駅もあるので念の為。停車中のタクシー運転手に「トンネチハチョルヨク」と言うと「トンネチハチョル」と復唱し発車。帰路は順調に7:25到着1600W。「大同病院前」のバス停で、妻と佑滋が待機しメガマートで朝食用のパンを購入。「たらみ」のブドウとパインゼリーが各1750W、パンが1250Wと2400Wと750W、「快便リンゴ」というヨーグルト飲料が4本3000W、ごま油1本4600Wで合計15,500W。24時間営業だが生鮮品や惣菜品コーナー中心に準備中以前の空っぽの場所も目立ち閑散。
駐車場からタクシー乗り場を過ぎバス停に戻ると後ろに大きなビルがあり「大同病院」とハングル表記。ハングル表記は何が書いてあるか注意して考える必要があり見逃す部分が多い。空港行きの307番を待ち構えるが、バスは今回も二重になった外側に停車しあわてて道路を走る。バスに乗るために置きっ放しにした荷物を母に持ってもらう。3人で4500W、座席を確保し空港まで車内を眺めながら進む。帰路は車内放送が全然ないが降りる場所はわかっている。1時間乗車し8:40に金海国際空港到着。
福岡・東京・大阪と日本行きが続く大韓航空カウンターは長い行列で、うろつく佑滋を母に預けて順番を待つ。いつものことだが空港へ来ると日本語が聞こえる。荷物はかなり増えたが、相変わらず機内預けはゲート渡しのベビーカーだけ。出国審査が終わると売店で慶州の絵葉書を購入し8000W。妻と母は免税店に。様子を見に行くと妻に70,000W残っているか聞かれ、財布を調べると初日にカードを使ったためか、まだそれくらいは残っている。LONG CHAMPのバックを結婚10周年プレゼントに購入76,300W。これで両替分はほぼ使いきり残り(5760W)は次回回し。KE731便大阪行きはバスで移動し11:00離陸。今度佑滋はメモ帳をもらう。よく揺れて食事に手間取り免税品販売もすぐに終了。帰りは中央部の4列座席で、外の様子もわからないまま12:20関西空港到着。ベビーカーが出るのが最後なので、入国審査場にも最後に着くが外国人(韓国人)の行列に比べると日本人の列はなく、ターンテーブルの時間待ちもなく、最後の税関もすんなり通過。
ターミナル1階に出ると、母が早速妻の姉・つまり自分の長女に携帯電話をかけ所在地確認。すると4階国際線出発にいるのでエレベーターで2日前の場所に移動。見送りに揃ってやってきた妻の姉一家5名(姉と夫に娘3名)に合流し記念撮影。夕方のバンクーバー行きで、妻の姪3人のうち年上2人が団体主催の夏休みアメリカホームステイへ出かける予定。佑滋はいつもかわいがってもらっている従姉のお姉さん達に会えて大喜び。がとりあえず食事に行きましょうと3階の和食店へ。実は関西空港へは何回も来ているがこの階へ入ることはほとんどなく最初は?だった次第。妻の姉が落ち着かない佑滋を外へ連れて行ってくれるので喜んで任せるが、親の言うことも聞かない状態で少し心配していると案の定おもちゃのところで動かなくなり「ママのところヘ行こう」といっても「行かない」と言いはり、最後に飴を買って連れて戻ってくる。自分の子供ながら(だから)困ったものだ。続いて団体集合場所の2階南広場へ移動。空港駅の南側で駐車場の入口にもなる。関西空港の駐車場に車を停めたことがなくこのあたりも未知のゾーン。一緒に出発する子供たちに保護者と関係者がたくさん集まっている。出発なのにまだホームステイ先が決まっていないと、ある保護者が主催者に抗議。幸い姪2人のホームステイ先は決まっている。
飛行機が出るまでしばらくかかるし、そろそろ失礼することにして13:50の関空快速京橋行きに乗車。たっぷり遊んだ佑滋は日根野に着く頃には眠ってしまい、終点まで行く母とは大阪で別れる。帰りは川西池田までの昼割切符を使い、尼崎まで姫路行き快速に乗り、尼崎で向かい側の東西線からの宝塚行き快速乗り換えの3月台湾行きと同じ行程。尼崎を出ると間もなく徐行して問題の事故現場を通り抜けていく。人と風景は確かに変わっているが、一方でそれと気づかない日常がある。佑滋が起きたのは川西能勢口から日生中央に向かう能勢電車の中だった。

(参考文献など)

1.『韓国の鉄道』中島 廣・山田俊英、JTB 1998
2.『韓国 鉄道の旅』中島 廣・山田俊英、JTB 2005
 1は前回までの韓国旅行でも参考にしたが、2は新刊でKTX開業後の情勢を踏まえさらに現在の各地の状況を伝える。旅行記も豊富。
3.『韓国ダウンタウン物語』川村亜子、風媒社1988
 1981年から4年間の釜山生活を語る。実際の生活描写がよい。
4.『B級グルメが見た韓国』文藝春秋編、文春文庫ビジュアル版1989
 少し古いが、食べ物から韓国人を捉える野心的な企画、写真豊富。ソウルYMCAホテルが懐かしい。[韓国旅行1]「ソウルの北(平成12年4月)」参照。
5.『体験的朝鮮戦争』麗 羅、徳間書店1992
 日本敗戦後の南朝鮮での労働党活動・逮捕・日本への逃亡・国連軍義勇軍加入・日本帰還・作家活動という稀な経験を通じて語る朝鮮戦争(韓国では韓国戦争という)の実態。
6.『朝鮮民族を読み解く』古田博司、ちくま新書1995
 北と南に共通する民族的な思考風土の特徴を経験に即して語る。人間性を尊重するが故にフォイエルバッハはマルクスより優れているのだろうか?
7.『韓国両班騒動記』尹 学準、亜紀書房2000
 故郷への郷愁が生み出した記述が、現実に出版されると不可思議かつ必然的騒動が発生。日韓の民族・歴史の意味づけの相違が具体的に浮かび上がる名著。
8.『思想読本6 韓国』川村 湊編、作品社2002
 伝統思想から現代思想まで様々な角度から描かれた便利な入門書。
9.『韓国学の全て』古田博司・川村 湊編、新書館2002
 多くの研究者が様々な角度から描いた韓国・北朝鮮研究から描く諸問題。
10.『日本人のための韓国人と中国人』金在国、舘野皙訳、三五館1998
 中国籍の朝鮮族である著者の見た韓国は、日本から見た角度と異なる点があり貴重な報告。中国人と韓国人の違いについても具体例をあげて描写。
11.『北朝鮮はるかなり』成恵琅、萩原遼訳、文藝春秋2002
 ソウル生まれで越北し、妹が金正日と結婚し金正男の伯母にあたる著者の北朝鮮生活の実相も貴重だが、父と母の日本時代から続く長い物語がまた極めて興味深い。

  今回は、現地の本屋へ行く時間がなかったので、韓国研究に必携?の『観光交通時刻表』を入手できず、韓国観光公社から送ってもらったパンフレットと地図ももう1つ。かといって日本で買ったガイドブックを開ける必要が特に生じることもなく、かなり行き当たりばったりの旅行だった。韓国は地下鉄やバスの中でも問題集・教材以外の書籍・雑誌を読んでいる人が少ない印象。日本では当たり前の雑誌中吊り広告もない。現地情報としてはインターネットの「プサンナビ」に色々と有益なものがあり、取捨選択は重要だが割引クーポンなどは日本でプリントアウトして持参すると活用できる場合もある。

 

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