もぐらたたき





「もぐらたたき」クラックを直上し、ルーフの中のチムニーを左にトラバース。初登はクラックで1P、チムニーで2Pだったようだが、現在はつなげて1Pで。右のルーフは「マスターズルーフ」(photo by Hashii)




取り付きでテーピング。この後、10mほど上がり込んでからビレイ
下部のクラックはハンドジャムが効く


下部はきれいな、でも表面が風化して少しもろい、コーナークラック
途中、ふくらみを越える


この白っぽいふくらみも、結構表面がもろい
チムニーにはまる


上から岩が被っていて、下はみごとに切れている。足下に綱の瀬川の渓谷が見えて、結構怖い
終了点のハシイさんにアドバイスをいただきつつトラバース


中も狭いが、抜け口も狭い
かなり奮闘する


ルーフの中のチムニーの抜け口。体を水平にして、歯磨き粉のチューブから絞り出されるように出てくる。ギアが引っかかってなかなか抜けにくい。もぐらたたきゲームのように見えるので、そこからルート名がついた。(photo by Hashii)




出口のガバが有り難い
最後は空中に放り出される感じで登り上がる


 今回の登攀は、2006年5月4日、橋井参二、長友敬一、えっちん、松井さん。

 初登は1985年2月25日、白岩孝行・内藤直也。以下、初登者の記録から
「エリア発見時から着目されていたコーナー・クラックで、上部は巨大なフレークにふたをされている。しかし、案ずるより生むが易し、この二ピッチ目は予想外の展開となり、このエリアでももっとも楽しいラインになった。ルートは一見チムニー、オフウイズス・クラックに見えるが、半身を入れてのジャム・クラックになっている。一ピッチ目下部は、体はバック・アンド・フット、手はジャミングで快適にロープをのばす。二ピッチ目は、体をフレークの中に入れて左へ左へトラバースしてゆく。チムニー・クライムのすべての技術を楽しみながら進む。足もとは綱ノ瀬川まですっぱり切れ落ちて高度感が凄い。出口はチムニーがだんだん狭くなり、やっと一人が通れる程度の穴から体を真横にして出てゆく。この穴から顔を出す様を見てこのルート名がついた。技術的には難しくないが、チムニーのトラバースという他にはあまりない、面白い体験のできるルートだ。壁の概念をつかむ意味も含めて、最初に登って欲しい。なお、太目の方は体がつかえ、あとあと酒のさかなにされる恐れがあるので注意されたし。2月25日、一ピッチ目を白岩がワン・テンション、二ピッチ目を内藤がフラッシング。(『岩と雪』No.111、Aug.,1985, p.24)」

矢筈岳上部岸壁トポ。一番右のハングがリトル・スプリングとフライング・ハイ、二番目の小ハングがアメリカン・ドリーム、中央の三角形のハングがマスターズ・ルーフ、その左の左上するクラックがもぐらたたき、左のハングの上がマキシマム、一番左の左上するクラックがクレイジー・ダイヒードラル。内藤直也氏作図、『岩と雪』No.111、Aug.,1985, p.21より転載。





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