韓国・仁寿峰(インスボン)




【期 日】  2003年9月12日(金)〜9月15日(月) 3泊4日
【メンバー】
北原 慎治(PMT) 緒方 孝二(PMT) 土井良 亨(PMT) 松井 清明(ピナクル) 石丸 幸子(ピナクル) 蜂谷 一彦(福岡山の会) 長友 敬一 池田 祐司 山本 一憲
【日程】
9月12日(金)福岡空港国際線ロビー集合8:30 福岡空港10:00発〜大韓航空782便〜インチョン空港11:25着〜タクシーorバス〜特別市北漢山公園牛耳洞(トソンサ)〜徒歩〜白雲山荘(泊)
13日(土)各ルートorボルダー 白雲山荘(泊)
14日(日)各ルートorボルダー〜徒歩〜牛耳洞〜バス〜ソウル市内 大裕旅館(泊)
15日(月)登山店で買い物、ソウル観光〜バス〜インチョン空港18:45発〜大韓航空781便〜福岡空港20:10着、解散




【詳 細】
 9月12日、福岡空港では定刻になっても全員揃わない。高速バスが渋滞に引っかかっていたからだ。やきもきしているとやっとアルコールの香水をぷんぷんさせた土井良さん(その手に持った瓶、もうほとんど空けかけてますがな。それもウイスキーだし)とザックではなくボルダーマットに荷物を詰め込んだサンダル履きの北原さんとこれもボルダーマットの山本君が登場。荷物のチェックインをしてるころに緒方さん到着。
 Korean Air は一路韓国へ。着陸時に、いきなりベルトを外して立ち上がったり、荷物を取ろうと棚を開けたりして、客室乗務員に3度も注意されている某先生の姿が・・・。「服装も半ズボンだし、まるで夏休みのガキ大将やね」
 インチョン(仁川)国際空港で入国審査をして荷物を受け取っていると、山一君がいつまでたっても現れない。
「先にでたのかな」
「荷物はまだここにあるけど」
とにかく両替を済ませて、外のロビーで待つことしばし。んが、いつまでたっても来ない。分散して探すことに。
「やまもとさ〜ん」
土井良さんの大きな声が空港中に響く。それでも見つからないのでアナウンスしてもらう。来ない。
「拉致られてるんでは?」
「彼は情報員では?」
北原さんが入国管理事務所に「トラブった日本人はいないですか」と問い合わせたが、「日本人はみんな大丈夫だ」とのこと。一体彼はどこに?
北原隊長以下何人か、再び「進入禁止」のドアから中に入ろうとして、警備員にとがめられる。「まだ中におるとですよね〜」と『日本語で』まくしたてると、あっさり入れてもらえたようだ。
 1時間近くそうやって騒いでいると、ひょっこり山一君登場!
「どうしてたんですか?」
「いや〜、入国カードの便名を書いてなかったので書き直しでまた列の一番後ろに並んでたら、なかなか進まんのですよ」
とにかく、めでたく入国完了。
 金浦空港までバス。既に雨が・・・。最後尾の席ではつまみ喰ってる土井良さんが・・・。金浦空港からタクシーで牛耳洞(トソンサ)へ。とりあえず、チヂミとピリ辛ラーメンとマッコリ(白濁して発泡気味の原酒のようなもの)。それから雨支度を整える。韓国はお盆と重なってるようで、連休だった。こりゃ、人が多いかも・・・
 入山は雨。気象庁言うところの「猛烈な」台風が直撃コースをとり、雨の中入山。白雲山荘(ペグンサンジャン)まで濡れそぼりつつ1時間程度を負荷。みんな20kg以上なのに、池田は15kg程度。装備も変わらず本まで持ってきてるのに何故?
 山荘は快適。チヂミはうまい。マッコリも美味。台風で全く登れないかもしれないが、これはこれで様子も分かったし、よしとするか。


雨の入山
白雲山荘にて





 9月13日、予定ではもの凄い混雑を避けて、朝5:30出発の予定だったが、天候の都合で待機。しかし、北原隊長の「行けますね」の一声。チョンマル?(Really?) 実際、雨は上がり岩もなんとかいけそうだった。
 10時頃、取り付きへ。




 北原、蜂谷、山本で「ウィディキル(医大ルート)5P 150m 5.10d[A0]」、松井、石丸で「キバウィC(シュイナードB)5P 180m 5.8」、土井良、緒方ペアと池田、長友ペアで「インスB(仁寿B)3P 100m 5.8」に。
 池田、長友ペアは、全日程池田リードで。

「インスB」(赤線)
「インスB」取り付き(「インスB」が本当始まるのは1P登ってからだけど)にて
最初のピッチは、「クローニーキル」の1P目(まだ「インスB」は始まってない。1P登ったテラスから始まる)。クラックは濡れていて厳しい


   核心は、通算2P目(ルート図上1P目)の、終了点間際のフレーク。最初はがっちり効いているが、次第に甘くなって手が抜けてくる。しかも濡れていて足が決まらない! んが、池田はリードでクリア!
 通算3P目(ルート図上2P目)のクラックは、横にボルトが適当な間隔で打ってあった。カムで十分なのになあ。足ががっちり効くが、痛い。みんな痛がってたが、池田だけけろっとしていた。辛抱強いのか、感覚がナニなのか?

インスBのテラスから始まる通算2ピッチ目(ルート図ではここから1Pの始まり)。上の木の直下が核心のフレーク
通算3P目(ルート図上2P目)のクラック


 通算4P目(ルート図上3P目)はチムニー状を登って、ピンのないダイクをトラバース。それから歩いていけるような20mを通過し、最後はフレークからやさしいクラック。土井良、緒方ペアは最終ピッチは左の方を直上し、渋いクライミングをやっていた。

通算4P目のチムニー状
最終ピッチの土井良、緒方ペア。バックはソウル市街


 14時頃に頂上で合流。向かいの白雲台には観光客が数珠つなぎになって登っていた。下降もきちんとラッペルポイントが整備されている。

頂上にて。北原隊長撮影
山頂でも石があるとすぐにボルってしまう山本隊員




向かいの白雲台。人人人・・・
登ってくるチームと下降が入り乱れる


 下山後は、山本、池田、長友でボルダリング。

とてもいい岩があった(9/14撮影)
ハングの山本君




90度以下に断然強い池田。3級を一撃
5級のクラック 長友


 暗くなったら、豊富でおいしい夕食。マッコロリーに、ジンロ(22度に希釈した焼酎)。ノースフェイスのジャケットの良く似合う?北原隊長以下、車座で話に花を咲かせてました。




 9月14日、松井、石丸ペアは「ウジョンB(友情B)」へ、池田、長友ペアは「ウィディキル(医大ルート)5P 150m 5.10d[A0]」へと、5:30に出発。他の皆さんは、ボルダーに。

「ウィディキル(医大ルート)」


 取り付いたのは、6時頃。

アプローチ1P目。取り付きより撮影
アプローチ2P目。右上の木立がオアシステラス


 オアシステラスでは地元の人たちがビバークしていた。そこから「医大ルート」の始まり。しかし1ピッチ目がラインがわかりづらく、池田君は苦戦を強いられる。正規には下から見えている終了点までフレークを使って真っすぐ行くようだが、右から巻ぎみで行った。最後に微妙なトラバースが待っていた。

上から見たオアシステラス
1P目終了点。右上、頭上の顕著な凹角に走るクラックが「弓形クラック」




隣の「ウジョンB」を登る松井、石丸ペア。奮闘中の石丸さん
濡れた壁に挑む松井さん


 2ピッチ目のフレークには苦戦した。池田は適切なカムの選択に迷い、長友はワンテン入ってしまった。

「インスB」からの1P目周辺
2P目のフレークを行く池田。カムの選択中

「インスB」から見た2P目のフレーク。北原・蜂谷・山本パーティー(前日撮影)


 3ピッチ目からスラブ。最初、5.10aもしくはA0かと思っていたが、これは難しすぎる! たぶん、5.10a+A0ということみたいだ。当然のようにA0の嵐!

3P目の出だし。最初のピンにランナーを取りに行くまでも渋い
さっそうと登る! って、A0ですけど


 5ピッチ目は、出だしのみ5.10dのバランシーなワンムーヴ。池田君、クリア!  耳岩のてっぺんからは、懸垂で少し降り、登り返す。

耳岩の出だし、5.10dの池田
同じ箇所を「インスB」から見たところ(前日に撮影)。松井、石丸ペア




耳岩にアタック中の松井、石丸ペア(前日に撮影)
簡単な登り返しで終了


 9時少し過ぎに頂上へ。ここでもビバークしてた人たちがいた。

下降中。被ったクラックをエイドクライミングで登ってるパーティーもいた
お疲れ様でした


 下山後は白雲山荘で昼食をとり、ボルダーメンバーと合流してボルる。韓国のおじさんや若者も一緒になって登る。

ボルダラー山一君の見事な腹筋!


 下山後、登山店でファイヴテンの靴を漁り、ソウル市内南大門の大裕旅館へ。夕食を食べ、自由行動。南大門辺りの出店はアメ横の感じで賑わっていた。これがソウルか、渋いなあ、と思っていたが、ミョンドンの方へ行くと、ファッション中心の出店がずらっと並び、若者でごった返していた。翌日も登山店を見て回り、観光をして空港へ。






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