比叡山3峰・「ハングの果てに見た夢は(右ルート)」
鹿川通信より転載
2006年3月5日、橋井参二さんと登る。初登は2005年6月5日、阿万忠司・三沢澄男・石川重弘・黒木真樹子、フリー化は2006年1月9日、橋井参二・磯辺英彦。
前日に三沢・工藤・鳥井・山口・石橋・松浦・執行・荒巻の諸氏と飲んだ酒が抜けきれず、体調は今ひとつ。しかも気温が低く、日が射すまでは指先も足先も感覚がない。というわけで、私はA0多用でやっとこさ抜けた。
西からの比叡山。右から、ニードルのある1峰、2峰、今回登った3峰。
比叡山からの矢筈岳。これだけの岩場に、引かれたルートはまだ少ししかない。
「ハングの果てに見た夢は」ルートを示すプレート。開拓者の方々の熱意と心遣いを感じる。
「ハングの果てに見た夢は」ルート取り付き。道路から5m上がるだけ。
1ピッチ目(5.11-)リードの橋井さん。「白亜スラブ」ルート(直上)と同じ取り付きから、左上していく。
2ピッチ目(5.11-)。特に出だしのムーブが厳しい。
2ピッチ目(5.11-)。中間部。
2ピッチ目(5.11-)。下部の核心を抜けても、厳しいスラブ。
2ピッチ目(5.11-)。上から。
3ピッチ目(5.9)。草付きを使わないと、5.10aくらいに感じた。
3ピッチ目(5.9)。終了点手前に、大きな浮き石がある。注意!
同じく3ピッチ目(5.9)。ハングの下で終了。
3ピッチ目(5.9)終了点の橋井さん。
4ピッチ目(5.11)はハングの右を抜けた(右ルート)。
緊張せざるを得ない高度感。
4ピッチ目(5.11)途中から下を見たところ。
4ピッチ目(5.11)のハング越え。
5ピッチ目(5.11)のビレーポイント。
5ピッチ目(5.11)。出だし。
5ピッチ目(5.11)。左の岩の上がスラブになっていて、非常に難しい。
6ピッチ目(5.8)。眼下の綱の瀬川の清流やその上に聳える矢筈岳の岩峰が、圧倒的で素晴らしい風景を成している。
ウォーターフェースにぶら下がる。
下降路はかなり整備されていたので、すぐに下山できた。その後、陣内さんの拓いたウォーターフェースで遊ぶが、全く歯が立たなかった。5.12以上はあるのではないか? 二十年以上前の装備でここを登った陣内さんは凄すぎる!
鹿川通信より転載。ウォーターフェースは一番右。
比叡山3峰は、素晴らしいルートがそろってきている。この「ハングの果てに見た夢は(右)ルート」も、アルパインクライマーはもちろん、ショート好きのスポーツクライマーにとっても、安心して緊張感を味わえるとてもいいルートだ。特に、5.11前半〜ノーマルあたりをオンサイトする力を持ったクライマーには、かなりの充実感がもたらされると思う。
比叡山3峰で残された課題は、三沢さんも指摘しているが、「北壁ルート」のオール・フリー化、「ハングの果てに見た夢はルート」のハングの直登のフリー化などだろう。
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